ウチの好きな人は


ホモやったわ

 

 


んなコトは
ウチにとって 別に  ど-でもいい事なんや

 

そないな事 個人の自由やしね
ウチも嫌悪感とか抱かへんし

 

 


ただ

 

 


問題が一つ

 

 


一氏ユウジは

 

 


金色小春一筋なコト

 

 


一筋っちゅ-か
回りが全く見えてへんっちゅ-か

 

 


ウチがどんなに頑張っても

 

やっぱ

 

 

こ~は~るぅ~

 

 

ってなるワケで

 


流石のウチも
堪忍袋の尾がキレるわな

 


言ってしもうたわ

 

 

「一氏は なんでウチを見てくれへんの!!?」

 

 

 

ああ
言ってしもうた

 

 


この、しょ-もない気持ち、
一氏が小春を好きでいる間は
一生墓まで持ってくつもりやったんやけどな

 

 

 

ホンマに ウチ最悪

 

 

 

言ってしもた後

 

 

なんか 恥ずかしくなって
なんか 泣きたくなって

 

 

走り去ってしもうたんのも失敗やった

 

 


帰ってきたら

 

 

白石や千歳に慰められて
銀さんには「よく言った」って褒められて
謙也には笑われて
(イラッとしたから殴ってやったわ)

 

 

小春には

 

 

「ユウくんに直球勝負かけてあげて-な」

 

 

そう言われ

抱きしめられた

 

そのホッとする あたたかさに
無性に涙が出た

 

 


(その言葉の意味は分からへんけど)

(小春が言いたい事、分かる気がするよ)

 

 

 

泣きやんで
みんなの応援を受け

 

ウチは
:勇者    ●●●●●は
:魔王 一氏ユウジ に
(魔王は お世辞すぎやね)

 

 

直球勝負を仕掛けに
戦闘体制に入ります

 

 

・ゴンタクレこと遠山金太郎に
校内中、走り回って一氏のいる場所を確認してもらう

・無我オタクこと千歳千里に
一氏を さりげなく 戦闘場所に呼び出してもらう

・師範こと石田銀に
戦闘場所にいるザコども(スマン)を蹴散らしてもらう

・浪速のスピ-ドスタ-こと忍足謙也に
色恋沙汰が得意だと言う従兄弟から情報を聞き出してもらい

・天才こと財前光に
聞き出した情報の整理をしてもらう

・Mr.聖書こと白石蔵之介に
全ての指揮をとってもらう

 

 

そして

 

 

・魔王が夢中と思われる姫(って言えと言われた)こと金色小春に

 

 

「            」

 

 

との お言葉をもらい

 

 

いざ

 

ぶっこむでぇ!!!!!!

 

 

 

 

戦闘場所は

裏庭にある大きな木の下

 

 

..っちゅうロマンチックなスポットは
お笑い命!の四天宝寺中には無くて

 

 


そないな事
今のウチに考えられる余裕なくて

 

 


千歳に連れられてる一氏を目にした瞬間、

 

 


廊下なのにも関わらず

 

 


「一氏!!!!!!!!!!」

 

 


そう叫んでいた

 

 


そしたら

 

 


ウチの顔が熱くなる前に

 


一氏の顔がアホみたいに真っ赤になって

 


「オマエ..!!ちょっと来い!」

 

 


そう言われ
一氏はウチの所に走って来て
手を引っ張って
たくさんの人をかきわけて

 

 


たくさん たくさん 走って

 

 


気付くと屋上まできていた

 

 

 


「なんやねんなぁ!」
「..へ?」

 


急にキレる一氏

 

 

「なんで、あんな、「あの言葉のコト?」

 

 


真っ赤になり、どもる一氏が なんだか可愛くて、
無性に からかいたくなり、強い口調で核心を突く

 

 


「そ そうや!あんなコト言って逃げるとか、意味不明やわ!!!このアホ!!!!」
「..だって一氏、ミジンコ程ウチのコト見てくれへんやないか..」

 

 


..な なんか ウチ乙女化しもた..
こないなコト、告白同然やんか!!!

 

 


ああ ウチ死にたい

 

 

 


「見てへん って、どゆこと?」

 

 


へ?

 

 


「いつも一緒に喋ってるやんか!●●●のコト見てへんワケないやろ!!!!」

 

 

 


ああ ウチ死にたい

 

 

 

コイツは コイツは
とんでもないアホやった

 

 


ウチが思うに

 

 

今まで小春しか見てき-ひんかったから、

 

コイツは、
一氏ユウジは、

 


"恋"っちゅ-もんを
"想われる"ことを

 

 


全く知っとらん!!!

 

 


「なぁ-?●●●?生きとる-?俺の言っとる事あってるやろ-?」

 

 


キョトンとしてる一氏を見とると
何とも言えん ため息が出るわ

 

 

 

..ちょっと待った

 

 


ウチが大事な事 気付いたんはエエよ

 

 

エエけど
エエけども

 

 


この事

 

 

ウチが

 

 

 


一氏に言うん?

 

 

 

 

あ ありえへん

 

こない恥ずい事
またウチが言うんか!!!??

 

 


ど どないしよ
ホンマモンの直球勝負でいかんと
一氏は絶対気付かへん

 

 


うううう

 

 


ホンマにウチ死にたい
恥ずか死してまうわ

 

 

 

 

でも


 

 

 

ウチが仕掛けへんと
この距離は縮まらへん

 

 

 


この距離
縮めたいから
ウチは言ってしまったんやろ?

 

 

 

 

 


ウチは 行くで

 

 

 

 

「な-な-●●●-コッチへ戻ってこ-い」
「ウチはドコに行ってんねやアホ」
「おっ!帰ってきた!おかえり-」

 

 


一氏の人懐っこい笑顔
ああ キュンキュンしてしまう

 

 


い イカン!!!アッチへ行くなウチ!!!

 

 

 


「間違っとるで!」
「は?」
「ウチは..ウチは!!!」

 

 

 

「一氏が 好きやあ!!!!」

 

 

 

「やから、一氏のコト"見とる"んやろ!!!?」


 

 

 

うわ
ついに言ってしもうた

 


うああああ

 

 


恥ずか死寸前やけど
全部 全部 言ってからやないと
ウチは死にきれへん!

 

 


「う あ  ちょ  ちょい待ち!○○!」
「い-や!ウチは待てへん!!」

 

「こんなコトに気付けへん一氏が悪いんやからな!!このアホンダラ!!!」

 

 

「だから ちょい待てって!」

 

 

「そない真っ赤な顔で強く言ったって、迫力あらへんよバ-カ!!!」
「ま 真っ赤なんは●●●が悪いんや!!」

 

「●●●が..そないなコト言うからやアホ」

 

 

「うわ恥ずかしいヤツ!そない顔で、言うたらアカン!!!ウチが照れてくるやろお!」
「お オマエ!照れ隠しなんか!!!?」

 

 

「それは俺のセリフや!●●●..自分、何言うたか分かってるか!!!??」

 

 

「わ 分かっとるわ!ウチが..ウチが その、あんな、えっと、一氏のコトを、」
「ハッキリ言えやアホ-!しばくぞ!!!」
「んなコト何回も言えんわバカ-!!!!!」

 

 


「ようするに」

 

 


「自分は俺のコトを、す すすす好...そ-ゆう風に思うてんやろ?」


「..言い換えるなアホ」
「...」

 

 

 


あ れ ?
なんで ソコで黙るん?

今までは
思うてた事 全部 口に出しとったのに

 

 

 


「俺は...」

 

「俺は小春一筋や」

 

 

 


うん

 

うん

 

そない基本な事とっくに知っとる

 

 

そない一氏を好きになっとるんやから

 

 

 


「だから その アレや」

 

「●●●とは今まで通りでいたいっちゅうか」

 


うん

 

うん

 

それも知っとる

だってウチも今が、めっちゃ楽しいもん

 

 


だけど
だけど

 

 


ウチ  一氏と そないな雰囲気になりたくて告白したんとちゃうで

 

 


少しでも
1ミクロンでも

 

 


一氏に意識してもらいたくて

 

 


でもアカンな
一氏はソレを拒否しとる

 

 

だったら
ウチが 修復せんとな

 

 

 


「そやろね..うん..まあ!じゃあ今まで通り、ふざけ仲間のま「けど!」

 

 

 


や やめぇや
せっかくウチが明るく振る舞おうと必死やのに

 

 

 

今 言葉を止めないで

 

 

 

泣いてしまうよ?
一氏を困らせてしまうよ?

 

 

 


「けどな けど-…」
「なんや?」

 

 


必死に言葉を探す一氏

 

 

 

ごめんな
本当にごめん

 

 

ウチのワガママのせいや
こない気持ちにさせてしもうたんは

 

 


「もう...ええで?」
「え?」
「ウチ 一氏を困らせたくて告白したんと、全然ちゃうから!!」

 

 

 

「ち  違う!俺の話聞けや!」

 

 

 

「あんな、」

 

「●●●に"見とらん"って言われた時からな、俺は小春が好きなハズやのに、」

 

 


「なんでか分からんけど」

 

 


「ずっと、あの時の自分の顔が、頭から離れなくなったんや」

 

 

 

「今までは小春しか頭ん中なかったさかい、自分の顔ばっか浮かぶから、」

 

 


「俺どうしたんやろ って戸惑ってしもうて、」

 

 


「しかも、●●●と話してるだけなのに、白石とか千歳とか光、金太郎にまで なんかヤキモチっぽいモン妬いてしまうし、」

 

 

 


「妬いたあげく、●●●を独り占めしたいと思うてしまうし、」

 

 

 


「こんな事 小春に相談できへんし、」
「...小春は気付いとったで」
「ま マジか!!!!!!!!????」

 

 

 

 


こんな 大告白の時まで お笑いリアクションな一氏が

 

 

 


ウチは めっちゃ好きや

 

 

 


「小春がな、ウチが告白しに行く時にな

 

 

 

『ユウくんを幸せにしてぇな』

 

 

 

って言ってくれたで」
「こ 小春...」

 

 

 


「小春ぅう~ありがとなぁあ~!」

 

 

 


こないな事で涙ぐむ一氏も

 


ホンマに好き

 

 

 

「..って なんで小春そない言うてくれたん?」

 

 

 

うんうん


大告白しても
自分の気持ちに気付かない一氏も-…

 

 

 

「こンの..ドアホ!!!!」

 

 

 

「ひぃっ!」
「そないリアクション、今は要らんわ-!!!!」
「だって-俺-笑いとるためだけに-生まれてきたんねんからな-」
「その口調 めっさウザいわ!!!」

 

 


鈍感すぎる一氏は
ちょっとイラつくかもしれんな
しゃ-ない しゃ-ない

 

 


「..一氏」
「あん?」
「ウチらな、」

 

 


「ウチらな、今この瞬間から、恋とか愛とか、始めような」

 

 


「!!!」

 

 

 

 

ほらな


やっぱし、超鈍感な一氏でも さすがに気付いとったんやろ?

 

 

その証拠に

 

 

 

「一氏、顔真っ赤や」
「自分こそリンゴみたいやで」
「一氏はタコみたいや」
「ええ例えやな」

 

 

 

 

今この瞬間から

 

 

 


ウチらの時間が始まるんや

 

 


ウブで ごめんな

 

 

ウチらは まだギリギリ中学生さかい、
これから たくさん 色んな気持ちを
ゆっくりゆっくり知っていくから

 

 

 


大事なコトは

 

 


今この瞬間

 

 

 

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