目を閉じる

 

 


僕の視界は 狭くなる

 

 


暗くて、冷たい

 

 

そんなところに落ちていく感覚

 

 

(---…おかしいな)

 

 

(落ちてるはずはないのに)

 

 

(ちゃんと アイギスの感触だって分かるし、みんなの足音も聞こえる)

 

 

なのに

 

 

(なんで、落ちているんだ?)

 

 

深く深く深く

 

 

たちまち急速に急激に迅速に

 

 

落ちていく

 

 


(…分からない)

 

 

(どうして、僕は落ちているんだろう?)

 

 

(こんな 暗闇に、ひとりで)

 

 


暗闇に、ひとりで?

 

 


疑問が浮かんだ 刹那、

 

 


今まで暗かったはずんの景色が、一瞬にして輝き出す

 

 


(う わ…!)

 

 

どこを見ても、光 光 光

 

 

見渡すかぎり、辺り一面 光輝くパノラマの様

 

 

(…………すごい…)

 

 

半ば放心した状態で、近くにある光にふれる

 

 

(------…ッ!)

 

 

脳天貫く刺激
だけど それは頭に痛みじゃなく

 

 

(……………アイギスと岳羽?それに順平も山岸も…天田にコロマルに、先輩たち?)

 


(こっちは友近…宮本…西脇、伏見)

 


(これはべべや小田桐…平賀先輩 あと鳥海先生)

 


(それは早瀬と末光、文吉おじいさんと光子おばあさん)

 

(そっちは舞子ちゃんと神木さん…たなか社長と無達さんもだ)

 

 

(そして、ファルロス)

 

 

僕に、優しい思い出を見せた

 

 

『キミは、ひとりじゃないよ』

 

 

どこからか聞こえる声
その存在を僕は かすかに気付いていた

 

 

(--…そうだね)

 

 

暗闇に落ちている感覚は、いつの間にか消えていた

 

 

(僕は、ひとりじゃない)

 

 

22の光が、僕を抱きしめる様に包む

 

 

優しくて暖かくて、力が湧いてくるような そんな感覚

 

 

 

今なら、目を開けられるかもしれない

 

 

 

けれど

 

 


僕は微かに見える闇夜へと手を伸ばす

 

 


ぽつり

 


(……………誰かが泣いてる?)

 


ぽつり ぽつり ぽつり

 

 

(アイギス?岳羽?桐条先輩?山岸?)

 

 

(………悲しませて、ごめん)

 

 


振り向きたい衝動に駆られる

 

 


泣いてるきみを、抱きしめたい慰めたいキスしたい

 

 


ずっと、一緒にいたい

 

 


でも、僕自身が、決めたから

 

 


振り向かずに 闇夜へ言葉を投げかける

 

 


(しょうがないから)

 

 

(僕が おまえを、守ってやるよ)

 

 


『----ありがとう』

 

 


そんな声が聞こえた気がした

 

 

 

 


夜が明けて、朝がくる

 

 

 

 


本当は僕も、みんなと一緒にいたい

 

 

笑って、泣いて、怒って、また笑って

 

 

でも、

 

 

あれも これも それも

 

 

そんなに欲張る事も できない

 

 

思うようにならないなんて

「だから 世界は愛しいんだ」

 

 

 

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good-bye!
2009.04-2010.03